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ボーダレス

役に立つかもしれないこととか。

動物の世界にヒトは何をもたらすか?生命の尊さを問う感動作『どうぶつの国』【漫画レビュー】

読んでみた マンガ

今回はコミカルなビジュアルでありながら思わず涙腺が緩んでしまう生命の尊さを問う感動作のご紹介です。

厳しい自然の中、仲間同士で協力しながら暮らしているタヌキたちがいました。
その中の1匹・モノコはある日、冷たい冬の川に流れてきたゆりかごを拾います。
そこには、タヌキたちが見たことのない種族『人』の赤ちゃんがいました。
山猫に両親を食われて寂しさを拭えずにいたモノコは、赤ちゃんのかわいらしい無垢な笑顔に心を震わせます。

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新しい家族のために

衰弱し始めている赤ちゃんにミルクを与えるため、モノコは危険も厭わず牛の元へ向かいます。
種族や鳴き声が違うと話が通じないこの国では、ミルクをもらうための交渉はおろか、肉食獣に見逃してもらうよう頼むこともできません。
それでもモノコは、既に新しい家族として見ていた赤ちゃんを救いたい一心で駆け出します。

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生命の温もり

奮闘の末、ボロボロになりながらもミルクを持ち帰ったモノコ。
しかし、赤ちゃんは本当の母親に捨てられたことを理解していて、生きる気力を失っていました。
寒い冬の夜、ミルクを飲もうとしない赤ちゃんの身体はどんどん冷たくなっていきますが、モノコは諦めません。
その必死な姿が仲間を呼び寄せ、タヌキたちは団結して赤ちゃんを暖めます。

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弱肉強食の摂理に抵抗する肉食獣

モノコたちの愛情と温もりによって復活した赤ちゃんは、タヌキの言葉だけでなく、他の動物の言葉をも理解する不思議な力を持っていました。
タヌキたちから恐れられていた大山猫・クロカギと言葉を交わした赤ちゃんは、クロカギがタヌキたちを襲おうとしていたのではなく、逆に、他の山猫たちからタヌキの村を守っていた事実を明らかにします。

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生命の尊さを思い出させてくれる作品

本当の母親に捨てられ、この国に流れ着いたたった一人の『人』。
言葉の壁を超え、異種族の意思疎通が可能なこの子が、どうぶつの国に少しずつ奇跡を起こしていきます。
コミカルなビジュアルでありながら、生きとし生けるものにとって重要なテーマが込められており、思わず涙腺が緩んでしまう演出が盛りだくさんの作品です。

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