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役に立つかもしれないこととか。

マーブルコートの深型フライパンを愛用して5年!和平フレイズや有毒ガスの発生条件などを調べました

昨日、こちらのまとめを見ました。

togetter.com

我が家でも愛用しており、その使い勝手の良さ軽さ安さが素晴らしいと思っていました。
もともとは私が独身の頃から使っており、購入履歴を見ると2013年1月23日が初回の購入で、そこからずーっと使い続けているので早5年もともに過ごしているという感慨深さ。
あ、もちろん、同じものを使い続けているわけではなく、定期的に買い替えをしながらお付き合いをさせていただいております。

まとめの中で触れられていることや、ブックマークのコメントを見て、色々と勉強になったので、それを共有していきます。

前提:我が家で使っているフライパンの種類

このマーブルコートのフライパンで一番使い勝手が良いのは、28cmの深型フライパンだと思います。

フライパンとしての使用はもちろん、高さがあるので、鍋として使うこともあります。
これ1つで幅広い料理に使えるので本当に使い勝手が良いです。

実際に料理の記事で簡単にフライパンの話題に触れたこともあります。

up2me.hatenablog.com

up2me.hatenablog.com

さらに、サブとして我が家では20cmの普通のフライパンも使っています。

こちらは炒めものや簡単な1品を作る時に使い回しが良いです。
ただ、あまりに本体が軽すぎて、取っ手の方に重心がいくため、ガスコンロに置く時には落ちないように注意する必要があります。

マーブルコートのフライパンの良さ

togetterのまとめでは、

  • 毎日使用。炒める、煮る、蒸す
  • コーティング変化無し、こびりつきゼロ。ストレスフリー
  • 水でサラッと汚れ落ちるから洗剤でなでるだけ
  • フライパンとは思えないほど軽い
  • ヤバイ値段

の部分がオススメポイントとして挙げられていますが、私としても概ね同意です。

このマーブルコートのフライパンの一番気に入っている部分は本当に驚くほどの軽さです。
我が家では、妻に料理を作ってもらうことがかなり多いので、調理器具の軽さは重要視しています。
大きさに対して驚異的な軽さなので、女性にとっても使いやすいと思います。

また、値段が1,500円ほどなので安く、買い替えが気軽にできることも非常にありがたいです。
フライパンは毎日使いますし、いくらコーティングが素晴らしかったとしても、頻度や使い方によって簡単に傷はつきます。
このマーブルコートのフライパンは傷が付きにくいことは確かですが、我が家では何の気遣いもなく使っているため、半年~1年ぐらいで多少の傷が入り、定期的な買い替えを行っています。

もっと気遣って使えば長持ちするのかもしれないですが、料理時も洗う時も気兼ねなくやっているため、傷がつきやすいのかもしれません。
ただ、値段から考えれば、気軽に買い換える方が快適な毎日を送れるのではないかと思っています。

マーブルコートのフライパンは高温時に毒性のガスが発生する!?

まとめの中で注意を促しているツイートがありました。

自分自身はあまり気にしないですが、子供も関わると思うと「毒性の強い塩素ガス」というのは放って置けない話だったので、実際に調べてみました。

まず、Wikipediaによると、

マーブル加工は韓国製に多く大理石のように見えるようにコーティングを施した製品である。

フッ素樹脂でコーティングを施し焦げ付きや汚れを防止する手法の一つ。金属の表面に加工を施こす表面加工である事から、金属製のヘラや洗浄用具を用いると加工が剥がれたり、空だきすると樹脂が分解し有毒ガスが発生する可能性があるため、木製のヘラを用いたり熱する前に油を入れておくなど鉄製のフライパンとは異なる適切な使用が求められている。

フライパン - Wikipedia

とあり、マーブルコートはフッ素樹脂コーティングの1種でやはり空焚きして高熱になると有毒ガスが発生する可能性があることがわかりました。

さらに、どれぐらいの条件で有毒ガスが発生するのかを調べていきます。
ツイートの中の参考URLに記載のある「神奈川県ウェブサイト」のフッ素樹脂加工したフライパンのテストのページによれば、

フライパンを加熱すると5分で370℃に達し、フッ素樹脂塗膜は 400℃を超えると熱分解が起こり、フライパンの空焚きによって423℃でガスの発生が認められました。

www.pref.kanagawa.jp

とあり、その発生したガスの一覧は、

  • テトラフルオロエチレン(呼吸困難)
  • ヘキサフルオロプロペン(めまい、窒息)
  • プロペン(眠気、めまい)
  • クロロメタン(吐気、頭痛)
  • ブテン(眠気、めまい)

とのことです。

さらに別のソースとして、日本弗素(フッ素)樹脂工業会 JFIAのQ&Aページに「ふっ素樹脂コーティングされた調理器具の取扱いについて」という項目があり、

ふっ素樹脂もプラスチックの一種ですから、高温になると、有害な熱分解生成物が発生します。ふっ素樹脂は、柔らかいプラスチックです。長くお使いになるためには、コーティングに傷を付けないように注意してください。

ふっ素樹脂製品の取扱い上の注意

とあります。
さらに、この中に「ふっ素樹脂製品取扱マニュアル(pdf)」という資料があり、この資料の中の18ページ目にある「附属資料A 熱分解について」によれば、

PTFE(テフロンの一種)を約480℃に加熱した場合は、微粒子状物質とHF(ふっ化水素)を主成分とするガス状の物質が発生します。500℃以上への加熱では、更に、極めて毒性の強いPFIB(パーフロロイソブチレン、ペルフルオロイソブテン)等のガス状物質が発生します。ただし、FEP(テフロンの一種)を熱分解したとき、400℃以上でPFIBが発生する可能性があり、PTFE以外のふっ素樹脂についてのHFは460℃未満で発生する可能性があることに留意する必要があるでしょう。

http://www.jfia.gr.jp/publication/images/handling_manual.pdf

とあります。

実際に発生するガスとして書かれているのが、

  • 四ふっ化エチレン(TFE、430℃以上で発生、毒性が低い)
  • 六ふっ化プロピレン(HFP、440℃以上で発生、毒性が低い)
  • ふっ化水素(HF、460℃以上で発生、毒性が高い)
  • パーフロロイソブチレン(PFIB、470℃以上で発生、微量でも毒性は極めて高い)
  • ふっ化カルボニル(COF2、500℃以上で発生、毒性が高い)
  • 四ふっ化炭素(CF4、640℃以上で発生、毒性が低い)

です。

さらに別ソースとして、日本化学工業が提供する「ふっ素樹脂加工フライパンの空焚きに注意」という資料の中では、

350℃を超えると熱分解が始まり、有害な微粒子状物質やガスが発生すると言われています。空焚きをすると5分ほどで350℃に達すると言われていますので、空焚きは厳禁です。しかし、通常調理時(食材が入っている時)の器具温度は150~190℃くらいです。食用油を熱した時に煙が出始める温度が約200℃ですから、通常の調理温度ではまったく問題はありません。

https://www.nikkakyo.org/system/files/chumoku247.pdf

との記載があります。

上記を総合すると、

  1. マーブルコートはフッ素樹脂コーティングの1種
  2. 空焚きをしないように気をつける
  3. 空焚きをして5分ほどで350℃~370℃に達する
  4. 5分以上の空焚きを経て400℃以上になると有毒ガスが発生する
  5. 毒性が高いガスも存在する

ということがわかりました。

空焚きをして5分ほどで350℃~370℃に達するとのことですが、普段の生活において、空焚きを5分以上することはないでしょうし、それが起こっている時点で火事の1歩手前の状態だと思います。

5分以上の空焚きを経て400℃以上になると有毒ガスが発生し出すようですが、通常範囲の使用においては、テフロンでもマーブルコートでも有毒ガスは早々発生しないようです。

ツイートの中には190℃を超えると発生し出すようなお話があったので、実際に調べてみて安心しました。

和平フレイズ株式会社について

普段、その商品をつくっている会社にまで想いを馳せることはないんですが、オフィシャルアカウントの反応や入荷などで人間らしさを垣間見て、ちょっと会社についても調べてみようという興味がわきました。

会社概要にある営業概要としては「家庭用品・調理用品・インテリア用品・生活雑貨の企画・販売」とのことです。

www.wahei.co.jp

ブックマークのコメントの中には、マーブル加工は韓国製に多く見られるので、和平フレイズ株式会社はそれを仕入れている商社(問屋)だろうというコメントがありました。

グループである「和平フレイズMS株式会社」のリクナビの内容を見てみるとこんな表記がありました。

ものづくりが盛んな市全体を一つの工場と考え、自前では工場を持たない「ファブレスメーカー」。そのため、市場の変化に素早く対応した企画開発に専念できます。お客様の「こうしてほしい」という声から、機能、デザイン、アイデアに優れ、役立つ商品を世に送り出しています。

job.rikunabi.com

商品自体の企画や開発は自社で行い、製造はそれぞれの商品ごとに発注先の工場がある感じなんでしょうね。
マーブルコートのフライパンは生産国が韓国になっているので、グループ会社である「和平韓国株式会社」が絡んでいるんだと思います。

さらに調べてみて知ったことですが、このすごく便利な深型のフライパンは料理愛好家の平野レミさんが発明して市場を牽引したんですね。
色んな用途に使えるので、深型フライパンは本当に便利なんですが、そんなところがルーツとなっていたのは知りませんでした。

和平フレイズは平野レミさんとコラボしてレミパンレミパンプラスレミパンミニなどの商品を出していることも調べてみて知りました。

毎日使っている道具でも知らないことは多かったり、調べてみると興味深い発見があるものだと改めて感じました。

これからも末永くマーブルコートの深型フライパンを愛用していこうと思います!