今から10年以上前に、海外放浪をしていました。
その当時、長期で旅行に出るとなれば、現金をトラベラーズチェック(TC)にして、リスクに備える方が多かったように思います。
そんなTCが今では驚くほど影の薄い存在になっており、海外でも使えるところがかなり限られてしまうので、ずっと使われていなかったTCを換金してみました。
前提:トラベラーズチェック(TC)が廃れた理由
あんなにメジャーだったトラベラーズチェックがこんなに廃れてしまうとは当時は思いもしませんでしたが、今これだけ廃れてしまっている理由を考えてみました。
トラベラーズチェック(TC)って何?
まず、TCとは何かを確認してみましょう。
Wikipediaによると、
トラベラーズチェック(英: traveler's cheque / 米: traveller's check)とは、旅行や出張など海外渡航の際に、多額の現金を持ち歩かなくても済むように発行される外国旅行者向けの小切手。日本では旅行小切手(りょこうこぎって)ともいう。略してTCまたはT/Cということもあるが、日本国外では "T/C" という表現はあまり使われず、"TC" または "Cheque" が一般的な表現である。20世紀末頃まではよく使われていたが、日本国内では2014年3月31日を持って全ての販売が終了した。
とのことです。
私は盗難に遭っても再発行できることをメリットに感じて、海外放浪の際にはすべての現金をTCにして旅に出ました。
クレジットカードや現地通貨での外貨引き出しの普及
2000年前後はクレジットカードはまだ不便であり、今では普通となっている店舗での使用や、キャッシングができる場所がかなり限られていました。
当時、バックパックを背負っての貧乏旅行でしたので、私の場合には、クレジットカードで支払いができる飲食店は遠い存在でした。
また、VISA、MasterCardなどのブランドによっても使える店舗には差があり、今の時代のように、1枚のカードさえあれば旅行に備えられるような時代ではありませんでした。
クレジットカードとともに、今では現地通貨で外貨引き出しができるキャッシュカードも増え、最近の旅行者はクレジットカードとキャッシュカードを併用する方が多くなったように思います。
18/11/01追記:日本でトラベラーズチェック(TC)を換金できる場所
私は記事を書いた当時、ゆうちょ銀行での換金が可能だったため、ゆうちょ銀行で行いましたが、現在、日本国内では、調べてみるとトラベレックスという外貨両替センターでの換金が唯一の方法のようです。
以前は三菱東京UFJ銀行とゆうちょ銀行での換金も可能でした。
三菱東京UFJ銀行では三菱東京UFJ銀行が発行したTCのみの扱いとなっており、これ以外のものは換金ができませんでした。
アメリカン・エキスプレス(アメックス)発行のTCは2015年11月までは換金ができましたが、2015年12月以降は取り扱いの対象外となってしまいました。
どちらにしても、TCを換金できる場所すらどんどんと減っているので、無期限有効のTCと言えど、換金をお考えの場合には早めに対応した方が良さそうですね。
ゆうちょ銀行でトラベラーズチェック(TC)を換金
今回はドル建てのアメックス850ドル分をゆうちょ銀行にて換金を行いました。
※今現在ではゆうちょ銀行での換金はできません
理由は単純で近くにトラベラーズチェックの取り扱い店舗があったからです。
レートは電話で確認すれば知ることができますが、あまりどこでも大きな差はないと思い、ネットで検索して、ある程度のレートを調べ、店舗へ行きました。
店舗でトラベラーズチェック(TC)を換金するまでの流れ
ゆうちょ銀行では貯金窓口の管轄となります。
特に身分証などは必要なく、TCさえ持っていけば両替をしてもらえます。
窓口カウンターにその日のレートが記載してありますので、気になる方はぜひ事前にしっかりとチェックしてくださいね。
氏名、住所、電話番号を用紙に記入し、担当の方の目の前でTCにサインをすることで手続きは完了します。
私の場合は850ドル分のTCでしたが、50ドルが17枚だったのでサインはちょっと大変でした。
手続き自体は簡単でしたが、TCを持ち込む人が少ないため、窓口の方は慣れてはおらず、トータルで30分ほど時間がかかりました。
この日のレートは上記の写真で分かる通り、1ドル123.56円でしたので、トータルで105,026円を受け取り換金が終わりました。
10年以上も前の自分からの贈り物だと考えると、ちょっと感慨深いものがありました。
なかなかTCを貯め込んでいる方は少ないとは思いますが、もしずっと眠ったままのTCがある方は、今なら身近な場所での換金は可能ですので、円安の波に乗って換金してみるのもありかとは思います。
18/11/01追記:記事全体を更新しました
見た目の調整やリンク先の見直しを行いました。