今回はピアニストとヴァイオリニストが織りなす青春ドラマ『四月は君の嘘』です。 映画化もされて話題になりましたね。
かつて、数々のピアノコンクールを制覇した最年少ピアニストとして名を馳せていた少年・有馬 公生(ありま こうせい)。
3年前に母を失い、それを境にピアノが弾けなくなってしまった彼は、中学三年生になった今も彩りを失った毎日を過ごしていました。
しかしある時、ヴァイオリン奏者の女の子と出会い、その輝くような演奏と生き様を見て、公生の心は少しずつ動き始めます。
姉弟のような幼馴染
同級生の椿は、幼い頃から公生をよく知る幼馴染。
ピアノを弾かなくなってからも、音楽のセンスを活かして譜面起こしのアルバイトをしている公生を見て、椿は哀しげな表情を浮かべます。
ピアノを弾くことも、離れることもできずに停滞した公生を救う方法を椿は探し続けていました。
やがてその想いが功を奏したのか、椿は公正にとっての運命の出会いを引き寄せることになります。
常識破りのヴァイオリン奏者
椿に呼び出された公生は、ピアノ伴奏付きのヴァイオリンコンクールを聴きに行くことになりました。
その会場でひときわ異彩を放っていたのが、ヴァイオリニスト・宮園(みやぞの) かをり。
楽譜通りに弾くことが求められるコンクールで、彼女は圧倒的な個性を存分に発揮した奇抜な演奏をしました。
コンクール審査員からは酷評されますが、聴衆や公生を最も震わせたのは、他ならぬ彼女の演奏でした。
同じ『演奏家』という人種の縁
演奏に集中するほど、自分が奏でたピアノの音が聴こえなくなる。
公生はそのせいでピアノを弾くことができなくなり、ずっと恐怖を拭えずにいるのでした。
かをりはそういった事情を全て聞いた上で、なんと次のヴァイオリンコンクールの伴走者に、公生を指名します。
かをりは、かつて神童呼ばれた公生に憧れる演奏家の一人でした。
モノトーンの景色はやがてカラフルに
公生は、無事にピアニストとしての復帰を果たせるのでしょうか。
1コマ1コマにドラマチックな演出が込められており、画面の美しさも然ることながら、登場人物たちの複雑な心模様が繊細に描かれています。
かをりの強い意志の源や、時折流す涙の理由、そして作品のタイトルに秘められた意味も、これから明らかになっていくことでしょう。